【4月17日 AFP】ベルギー代表とイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)で主力として活躍するケビン・デ・ブルイネ(Kevin de Bruyne)が、自身がサッカーで成功を収められた要因について、10代の頃に里親に拒絶されたことが飛躍のきっかけだったと話した。

 現在27歳のデ・ブルイネは、2015年にドイツ・ブンデスリーガ1部のVfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)からシティに加入すると、安定して高いパフォーマンスを披露。今季は2回の膝のけがに見舞われたが徐々に本来の姿を取り戻しており、17日のトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)準々決勝第2戦でも、逆転突破のカギを握るとみられる。

 それでも、デ・ブルイネがそうした成功を収められたのにはきっかけがあったという。母国ベルギー1部のKRCゲンク(KRC Genk)のユースに所属していた15歳の頃、クラブに紹介された市内の里親のもとで暮らしていたのだが、その一家から深く傷つくことを言われたのだ。

 デ・ブルイネはウェブサイト、ザ・プレイヤーズ・トリビューン(The Players' Tribune)で「その年、僕は学校でもサッカーでも順調だった。けんかもしないし、何も問題はなかった」と切り出した。

「そして学年が終わり、僕は荷造りをして里親にあいさつをした」「彼らからは『休み明けにまた会おう。良い夏休みを』と言われたよ」

 ところがその数時間後、デ・ブルイネは心の平穏を打ち砕かれる経験をする。

「実家に戻って玄関に上がると、母が泣いているのが見えた」「誰か死んだのかと思って『どうしたの?』って聞いた」「すると母が、たぶん僕の人生そのものを決定づけた言葉を口にした。母はこう言った。『ゲンクのご家族が、あなたに戻ってきてほしくないって。もう家に置きたくないって言うのよ』」

「『どういうこと? なんで?』って聞いたら、母はこう言った。『あなたの性格のせいだって。おとなしすぎるって言ってた。まわりに心を開かない、難しい子だって』」

 ちなみにデ・ブルイネ自身も、現在のチームメートであるラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)について、当初は問題児という先入観を抱いていたが、それは完全な誤解で、実際には「すごく謙虚なナイスガイ」だと気づかされたことを認めている。いずれにせよ当時のデ・ブルイネは、ショッキングな言葉をサッカーに打ち込むことで忘れようとした。

「『僕の性格』という一言が頭にこびりついて離れなかった。頭の中で何度も響いた」「フェンスに向かって何時間もボールを蹴ったよ」「実際に口に出してこう言ったのを覚えている。『気にするな。2か月後には1軍入りしているんだから』ってね」「何があっても、絶対に成功してやると誓った」

 そして2軍でベンチスタートから5得点を挙げるという成功を収めると、一家の態度が変わった。

「母親の方が、まるで何もかも思い違いだったっていうみたいに僕に近づいてきた」「笑い飛ばすべきだったのかもしれない。だけど当時の僕にとっては笑えなかった。本当に傷つけられた」

「だからこう言った。『やめてくれ。あなたたちは僕をごみ箱に捨てたんだ。それがちょっと活躍し始めたから、僕の味方をしたいだって?』」

「今から考えれば、ただありがとうと言うべきだったんだと思う。あの経験で、僕のキャリアに火がついたんだから」 (c)AFP