【4月17日 AFP】国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は16日、人道危機に陥っているベネズエラへの支援物資の第一弾が同日現地に到着したことを明らかにした。同国のニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は外国からの支援物資の受け入れを拒否していたが、先週に入り、赤十字側と物資の搬入で合意していた。

 ベネズエラのカルロス・アルバラド(Carlos Alvarado)保健相によると、到着した物資には医療用品24トンと発電機14台が含まれる。配布先は病院8か所と外来診療所30か所で、うち約半数が公営の医療施設だという。

 物資はパナマから移送されたもの。AFPの記者らによれば、首都カラカス近郊のマイケティア(Maiquetia)にある空港から、同市にあるベネズエラ赤十字社(Venezuelan Red Cross)の集配施設までトラック約30台で運ばれた。

 ベネズエラは4年余り不況が続き、食料や医薬品などの生活必需品が著しく不足している。国連(UN)によると、同国の人口3000万人のうち4分の1が緊急支援を必要としている。

 ベネズエラでは、マドゥロ大統領と、野党指導者で暫定大統領就任を宣言したフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が対立。支援物資の受け入れを主張するグアイド氏に対し、マドゥロ大統領は受け入れを拒否し、同大統領に従う軍が物資の搬入経路の橋を封鎖していた。

 同大統領は、支援は米国主導の侵略を隠す偽装にすぎないと主張していたが、先週に入って物資の受け入れを表明。国営テレビとラジオを通じ、ベネズエラ政府と赤十字は「国連機関と協力し、搬入可能なすべての人道支援物資を運び込むことに合意した」と発表した。(c)AFP/Margioni BERMÚDEZ