【4月17日 AFP】中世の貴重な窓から割れ落ちたステンドグラスの破片、尖塔(せんとう)が崩落し聖歌隊席付近の屋根にできた大きな穴、天井から焼け落ち床に散乱したがれき…。フランスの首都パリにあるノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)を15日夕に襲った火災は消防隊が鎮火にこぎ着けたが、一夜明け日の光に照らされた現場から、その被害の規模が明らかになった。

 開け放たれた大きな扉の一つからは、大聖堂内部に焼け焦げたがれきが山になっているのが見える。被災後の大聖堂内に最初に足を踏み入れた人の一人、ノートルダム大聖堂のフィリップ・マルセ(Philippe Marsset)司教総代理は、「爆撃を目にしたような感じがした」と語った。

 しかし希望の兆しを示すものもあった。大聖堂奥にあった金色の十字架が無傷で残り、闇の中で毅然(きぜん)と輝いていた。損壊を免れたステンドグラスや彫像もある。

 被害を受けずに済んだものも多く、石造部分の大半と2つの巨大鐘楼が無事だった事実は、安堵(あんど)をもたらした。マルセ氏は「ただあぜんとしている。奇跡的という以上に、畏怖の念さえ覚える」と話している。(c)AFP/Camille BOUISSOU and Michel MOUTOT