【4月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がフロリダ州に所有する別荘「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」にマルウエア(悪意のあるソフトウエア)入りのUSBメモリーを持ち込もうとしたとして逮捕・訴追された中国人の女について、米連邦裁判所は15日、「何らかの不正行為を企てていた」とみられるとし、公判前の保釈を認めない判断を下した。

 法廷文書によるとチャン・ユージン(Zhang Yujing)被告(33)は先月30日、トランプ氏が滞在していたマーアーラゴに複数の携帯電話やマルウエア入りのUSBメモリーを持ち込もうとして逮捕された。

 米紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)の報道によると、チャン被告に対する審問で裁判官は「被告は何らかの不正行為を企てていたとみられる」と述べ、逃亡や不出廷の可能性が非常に高いとしてチャン被告の拘束を続けるよう命じた。

 チャン被告は逮捕時、自分がマーアーラゴの会員でプールを使いたいと主張し、さらには実在しない中国系米国人の催しに参加すると語っていた。同被告はスパイ行為の疑いは持たれていないものの、連邦当局に虚偽の証言をした罪で起訴された。

 マーアーラゴはトランプ大統領の滞在時には立ち入り制限区域に指定されるが、チャン被告はそれを承知で別荘内に入ろうとした罪でも起訴された。

 チャン被告は無罪を主張しているものの、法廷文書によると裁判官は「被告の罪は大変深刻であり、大統領やその家族、そして職員がいるとみられる場所に違法に接近することと直接的な因果関係があるとみられる」と指摘した。

 チャン被告は有罪なら最高で禁錮5年と罰金25万ドル(約2800万円)の刑が下される。(c)AFP