【4月17日 AFP】スウェーデンの家具大手イケア(Ikea)が、環境保護への取り組みの一環として家具のレンタルとリサイクルサービスを世界的に進めている。安価な家具を平らに梱包する独自の「フラットパック」型ビジネスモデルをめぐっては、過剰消費と廃棄物の増加につながっているとの見方があり、新たな試みはそうした懸念に対応する形で展開される。

 イケアは自社のビジネスモデルを2030年までに循環型に移行するとの目標を掲げている。新たな事業展開については、単なるマーケティング戦略であるとの批判の声もある一方で、内容の伴う実質的な方向転換であると歓迎する向きもある。

 イケアはすでに、輸送中に損傷した製品を修理・再梱包するサービスをすべての店舗で行っているほか、製品の返品も受け付けている。返品された製品は、再販もしくは慈善事業に寄付されるのだという。

 全367店舗の運営を担うインカグループ(Ingka Group)は今年、家具のレンタルサービスを4か国で試験的に開始したが、今後はこれを世界30か国に拡大する計画だ。

■二酸化炭素を大量排出

 イケアは、同社が環境に及ぼしている影響を2030年までに70%削減したいとしている。しかし、現在の二酸化炭素排出量を考えると、それまでに目標を達成するのはやはり難しいだろう。

 持続可能性に関する2018年の報告書でイケアは、「二酸化炭素排出量を減らす上で最も注目すべきエリアは、原材料と販売後の製品寿命にある」と述べている。今年公表された別の報告書では、同社の二酸化炭素排出量における原材料の割合は36.4%に上っており、また郊外の店舗に製品を輸送し、顧客が店舗まで行く交通手段による排出量は19.4%となっていることが明らかにされている。