【4月16日 AFP】フランス製の武器が、アラブ首長国連邦(UAE)およびサウジアラビアによってイエメンで使用されていることが、15日に公表された軍の機密情報で明らかになった。フランス政府のこれまでの説明と矛盾する格好となっている。

 調査報道機関ディスクローズ(Disclose)が公表したフランス軍情報機関の文書は、UAEとサウジアラビアが、イスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)との戦闘に際し、火砲類から船舶までフランス製の武器を使用していると結論付けている。

 この文書によるとネクスター(Nexter)製の「カエサル(CAESAR)」と呼ばれる自走砲48両がサウジアラビアとイエメンの国境沿いで使用されたという。また1990年代にUAEに販売されたルクレール(Leclerc)戦車や、ミラージュ(Mirage)2000-9型の戦闘機も使用されたとされる。ディスクローズによれば、政府は昨年10月にこの情報の提出を受けたという。

 武器販売をめぐり、人権団体から長年圧力を受けてきたフランス政府は、仏製兵器はフーシ派による攻撃を阻止するため、自衛を要する状況でのみ使用されるとの主張を繰り返している。

 世界第3位の武器輸出国であるフランスは、サウジアラビアおよびUAEを中東における主要顧客と位置付け、武器輸出停止に踏み切ったドイツと異なり、武器取引中止の求めに抵抗している。(c)AFP/Daphné BENOIT