【4月14日 AFP】12日に行われたフランス・リーグ1のディジョン(Dijon FCO)対アミアン(Amiens SC)戦で、アミアンのプリンス・デジール・グアノ(Prince Desir Gouano)に人種差別的なチャントを浴びせたとされる容疑者の男が、捜査当局に拘束された。

 スコアレスドローに終わったディジョンでの一戦は78分、アミアンのキャプテンを務めるグアノに対してモンキーチャント(猿の鳴きまね)が浴びせられると、両チームの選手がプレーを止めてピッチを離れ、試合は一時中断となった。

 その後、グアノは観客を指さしてスタンドに詰め寄ったが、選手や監督、審判団の間で話し合いが行われた末に試合は再開された。

 グアノは試合後、beINスポーツ(beIN Sports)に対して「僕たちは21世紀に生きている。あれは許容されない。プレーを止めて、そうした行為があったことを指摘したかった。今の世の中では、皆平等なのだから」と語った。

 人種差別行為が続出している今季のサッカー界で新たに起きた事件を受け、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は世界中のサッカー関係者に対し、人種差別には「ゼロ・トレランス(不寛容)」の姿勢を取るよう求めた。

 フランスプロサッカーリーグ連盟(LFP)も今回の行為を強く非難しており、法的手段を検討すると述べている。また、ディジョン側は容疑者の男に処分を科す方針を示している。(c)AFP