【4月14日 AFP】男子ゴルフのタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が、スポーツ史に残る復活劇の完結へあと一歩のところまでやってきた――。

 43歳のスーパースターは13日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)で行われた米国ツアーの今季メジャー第1戦、第83回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2019)3日目を5アンダー「67」で回った。

 メジャー通算14勝を誇るウッズは、2008年の全米オープン選手権(US Open Championship)を最後にメジャー優勝から遠ざかっているが、これで首位に立つフランチェスコ・モリナリ(Francesco Molinari、イタリア)と2打差の2位タイにつけ、14日の最終日を最終組でプレーすることになった。

 午後には嵐が予報されているため、それまでにラウンドを終了できるよう、マスターズの主催者はトニー・フィナウ(Tony Finau、米国)を含めたウッズら上位3人のティータイムを午前9時20分に早めた。

 度重なる腰の故障の影響で一時は普通に日常生活を送ることさえも危ぶまれたウッズは「ここに戻ってきて、再びプレーできることにただただ感謝の気持ちでいっぱい」「早いスタートになる」「あしたに向けて頭と体の準備を整え、いろいろと普段より早めに済ませるようにしたい」と話した。

 また、11年ぶりのメジャー勝利を目指す中で緊張はあると認め、「常にプレッシャーは感じる」「プレッシャーを感じなくなった日が引退する日だ。本気で取り組んでいるのなら、プレッシャーを感じるのは当然のこと」と付け加えた。

 元世界ランク1位のウッズだが、近年は膝や腰の故障が続いて戦列を離脱。何度もカムバックを試みたが、そのたびに悔しさを味わってきた。日常生活にも支障をきたすほど痛みが強かった時期もあり、復帰はかなわぬ夢かと思われた。

 しかし、2017年4月に脊椎固定術を受けると、圧倒的な力を誇った20年前の頃のような姿に復活。昨年の全英オープン(The 147th Open Championship)ではメジャー初優勝を飾ったモリナリに惜しくもタイトルを譲ったが、全米プロゴルフ選手権(2018 PGA Championship)でも最終日に猛チャージを見せて2位に入った。

 オーガスタは、1997年にメジャー初優勝を飾った地であるだけでなく、2001年にメジャー4連勝の偉業を成し遂げた場所でもある。グリーンジャケットには2005年を最後に手が届いていないが、これまで通算4度にわたり栄冠に輝いてきた。

 過去に2位以下で最終日を迎えてメジャーを制した経験はないが、通算15個目のタイトルへ向けて、慣れ親しんだオーガスタでの経験がカギを握るだろう。ウッズは「すべてのホールでフラッグをめがけていく必要はない。とにかく正しい場所にボールを置き、パットとかを決めやすい位置につける」「きょうのようなラインを出していければ何も問題ないだろう」と語った。(c)AFP/Jim SLATER