【4月13日 AFP】中米諸国から約350人の移民集団(キャラバン)が12日、メキシコとの国境を強行突破した。同国の当局が明らかにした。約2500人の移民集団が新たに到着する中、今回の発表にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が関心を寄せるのは間違いないとみられている。

 メキシコ移民局(INM)は、「本日(12日)午前3時30分(日本時間同午後5時30分)、約350人の移民集団が暴力に訴えてグアテマラからメキシコ側に入国した」と発表。「移民たちは攻撃的な姿勢で国境ゲートの南京錠を壊し、メキシコに入国した」と述べた。

 移民集団は10日、ホンジュラス北部サンペドロスラ(San Pedro Sula)を出発し、途中でグアテマラ人とニカラグア人数人が加わった。移民たちは主に、母国での貧困や残忍な暴力から逃れている。道中では、犯罪組織による強奪や誘拐、殺人も発生しており、移民たちは対抗手段として大勢で移動しながら米メキシコ国境を目指している。

 殺人が後を絶たない同国中部のベラクルス(Veracruz)州では、未成年者71人を含むホンジュラス出身の移民143人が誘拐され、10日に当局が解放したと発表した。捜査筋によると、誘拐犯らは身代金として、移民1人当たり1万ドル(約112万円)を要求していた。

 一方、トランプ大統領はこれまで、不法移民の米国側への入国を阻止するためにメキシコは何の対策も講じていないと非難し、結果を出さなければ、メキシコの自動車に関税を課すか国境を閉鎖するとの強硬姿勢を示している。(c)AFP/ Gabriela COUTINO