【4月13日 AFP】スーダンで長期政権を維持してきたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領が軍事クーデターで解任された後、政権移行のため発足した暫定軍事評議会の議長に就いていたアワド・イブンオウフ(Awad Ibn-Auf)大将が12日、議長を辞任すると発表した。イブンオウフ氏は、大統領解任後の11日夜に議長に就任したばかりだった。

 イブンオウフ氏は国営テレビでの国民向け演説で辞任を発表し、アブドルファタハ・ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)大将を後任議長に選出したと説明。さらに、評議会が文民政府樹立に取り組むことを強調した。

 評議会の政治部門トップであるオマル・ザイン・アブディン(Omar Zain al-Abdin)中将はイブンオウフ議長による発表の直前、アラブ・アフリカ諸国の外交官らとの会議で「これは軍事クーデターではなく、国民の側に立った行動だ」と発言。会議の様子は国営テレビで中継されていた。

 イブンオウフ氏の辞任はスーダン新指導部の混乱を示すものとみられるが、首都ハルツームの街頭では喜びの声が湧き起こった。

 市内の軍本部周辺で野営を続ける数万人のデモ隊は12日、怒りをあらわに軍から文民政府への権限移譲を要求していた。

 全土での抗議デモを主導するスーダン専門職組合(Sudanese Professionals Association)は、イブンオウフ議長の辞任は「民意の勝利」だと述べ、歓迎の意を示した。(c)AFP/Jay Deshmukh and Abdelmoneim Abu Idris Ali