【4月20日 東方新報】中国国内の唐辛子の作付け面積は約200万ヘクタール、年間生産高は700億元(約1兆1600億円)を超。10年以上にわたり、野菜産業トップの地位を維持し続けている。統計によると、2015~18年の間、唐辛子の価格は低めに推移していたが、19年に入ってから一転して値上がりし、前年同期と比べ値上がり幅が80%を超えるものもある。

 辛い料理で有名な重慶市(Chongqing)のスーパー関係者によると、昨冬以降、唐辛子の代表的な品種の一つである「朝天椒(Chaotianjiao)」の価格が上昇し始め、値上がり前の500グラム4~5元(約66~83円)から、昨年11月末には500グラム10元(約170円)まで上昇し、元宵節(旧暦1月15日)に当たる2月19日頃には500グラム約14元(約232円)まで上がったという。唐辛子全体の値上がりの影響を受け、干し唐辛子も値上がり傾向にある。

 データによると、唐辛子の産地価格は18年10月以降、値上がりモードに入り、特に春節(旧正月、Lunar New Year)に当たる2月5日を過ぎた頃に上昇が加速。現時点で、四川唐辛子の一種「燈籠椒(Denglongjiao)」の上等品の価格は、昨年1月に比べ500グラム当たり4.5元(約74円)上がり、値上がり幅は69.23%となった。昨年3月の500グラム当たり6元(約100円)に比べると、値上がり幅は83.33%に上る。

 唐辛子が大幅に値上がりしていることを受けて、多くの農家が収益を上げるため唐辛子を多く植えようとしている。ある調査機関のデータによると、中国の唐辛子の主要生産地では作付け面積を20%以上拡大しており、19年の作付け面積は26万7000ヘクタールと、18年の22万5000ヘクタールに比べ20%近く増加した。

 業界関係者は、中国の唐辛子相場はこの10年来大きな変動が無く、今年の値上がりは主として昨夏の異常気象の影響によるものだという。昨年5月以降、北方の山東省(Shandong)、河南省(Henan)などの地域で40度を超える高温となったため唐辛子が受粉不良に陥り、低着果率を招いた。その後、主産地が台風22号「マンクット(Mangkhut)」による水害を受け、約30%の減産となった。今年に入り、各地の唐辛子栽培農家は作付け面積を拡大しているが、業界関係者は農家に対し理性的に作付けを行い、むやみに追従しないよう呼び掛けている。(c)東方新報/AFPBB News