【4月12日 AFP】インドで11日、総選挙の投票が始まった。選挙をめぐる対立で死者も出る中、有権者約9億人の世界最大の選挙によってナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相(68)に対する審判が下される。

 選挙管理委員会によると、20州で始まった投票初日には大勢の有権者が票を投じた。投票は約6週間かけて行われる。

 モディ氏は国の安全保障に関する強硬姿勢で国民からの高い人気を維持しているが、失業問題や物議を醸している経済改革などをめぐり圧力にさらされている。

 選挙運動期間中は、モディ氏率いる右派のインド人民党(BJP)と野党・国民会議派が争う中、ソーシャルメディア上には侮辱的な発言やフェイクニュースが飛び交った。

 南部アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州では治安部隊が厳戒態勢を敷く中、投票所前で対立する地方政党の党員同士が衝突し、3人が死亡した。中部チャッティスガル(Chhattisgarh)州では9日、毛沢東主義派(Maoist)の武装勢力が道端に仕掛けたとみられる爆弾が爆発し、地方議員1人を含む5人が死亡。同州では武装勢力による爆弾攻撃で警察官1人が負傷し、西部マハラシュトラ(Maharashtra)州でも同様の攻撃で警察官2人が負傷している。

 選挙には2000以上の政党から数千人が立候補している。543議席が小選挙区で争われ、選挙区別に7回設けた日に投票が行われる。最終投票日は5月19日で、5月23日に開票する。

 電子投票機が全国で約110万台使用され、ジャングルや山を越え、1人の有権者のためだけに対中国国境近くの集落にも設置される。初日の投票資格者は約1億4200万人に上った。(c)AFP/Simon Sturdee in New Delhi and Abhaya Srivastava in Ghaziabad