【4月12日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーのメジャー第1戦、第83回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2019)は11日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)で開幕し、アマチュア選手として出場している金谷拓実(Takumi Kanaya)はいきなり連続バーディーからスタートし、一時リーダーボードでトップに立ち、夢心地になった。

 広島県出身で20歳の金谷は、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)での初日を1オーバー「73」の44位タイで発進し、終盤には現実を突きつけられたが、まだおとぎ話のようなスタートから覚めやらぬ様子で「連続バーディーでスタートし、自分の名前がリーダーボードにあるのを見たときは夢のようだった」「本当に最高だった」とコメントした。

 5組目スタートとなった金谷は、1番のティーグラウンドで緊張感に襲われながらも最高の立ち上がりを見せ、「練習ラウンドと比べて、最初のティーショットでは緊張した」「左へ曲げたあとセカンドショットはうまくグリーンをとらえ、バーディーを決めることができた。だけど、すごく緊張した」と明かした。

 1番グリーンでは起伏を越えて15フィート(約4.5メートル)のバーディーパットを沈め、これで気持ちを落ち着けた金谷だったが、パー3の4番でのボギーに加えバックナインの立ち上がりに連続ボギーをたたいて後退してしまった。

「ずっと緊張しながらショットを打つのは本当に厳しい」「11番のティーショットは右に押し出してしまったけれど、どうにかホールをこなすことができた」

 パー5の13番と15番でバーディーを奪いながらも、パー4の17番ではダブルボギーをたたいた金谷だったが、目標達成には十分な位置につけており、「予選を通過してローアマチュアになれるようにプレーしていきたい」と語った。

 金谷はアマチュア選手の特権でクラブハウス内にあるクロウズネスト(Crow's Nest、カラスの巣)と呼ばれる屋根裏部屋に宿泊しており、「アマチュアだけがあそこに宿泊できるから、あとで良い思い出になると思う」「クロウズネストに泊まっている選手たちと一緒に写真を撮った」と話した。

 金谷は昨年、シンガポールで開催されたアジア・パシフィックアマチュア選手権(2018 Asia-Pacific Amateur Championship)を制して大会の切符を手に入れた。日本勢としては、2017年の全米オープン選手権(2017 US Open Championship)で2位に入った松山英樹(Hideki Matsuyama)が、2010年大会で優勝して以来の快挙となった。(c)AFP/Jim SLATER