【4月16日 Xinhua News】中国雲南省徳宏(Dehong)ダイ族チンポー族自治州盈江(Yingxiang)県でこのほど、現地の自然風景写真家が、中国国家二級保護動物オオサイチョウのメスが巣ごもりのため木の洞に入る様子を動画撮影することに成功した。

 同県バードウオッチング協会の曾祥楽(Zeng Xiangle)理事長によると、現地の自然風景写真家は5年連続で観測を行ってきたが、オオサイチョウが繁殖のために巣に入る映像を撮影できたのは今回が初めてだという。映像では、体格の大きなオオサイチョウのメス1羽が体を縮めながら、直径40センチに満たない木の洞に入り込む様子が捉えられていた。

 毎年3月から6月がオオサイチョウの繁殖期に当たる。巣は通常、森の中にある背の高い木にできた天然の洞が選ばれ、洞の形を整えて作られる。オオサイチョウの翼長は1.5メートルに達するが、洞に入る前に入り口をついばんで広げ、入り口に封をするため必要な泥や土などの材料を巣の中に運び込む。

 サイチョウは典型的な熱帯雨林の鳥類で、中国では主に雲南省の西部と南部、広西チワン族自治区の南部、チベット自治区などの地域に分布している。中国にはオオサイチョウ、カササギサイチョウ、アッサムサイチョウ、ナナミゾサイチョウ、シワコブサイチョウの5種類が生息しているが、盈江県には国内のサイチョウ5種類全てがいる。近年、地元では環境保護に力を入れ、「中国のサイチョウの里」を打ち立てるべく取り組んでいる。

 雲南銅壁関(Tongbiguan)郷省級自然保護区管理保護局盈江支局の張永生(Zhang Yongsheng)局長は、毎年サイチョウの繁殖期に、管理保護局は赤外線カメラの設置やオンライン・スマート観測、定点観測や指向性観測、越境保護推進などの活動を適時実施するなど、サイチョウの観測や管理、保護への取り組みを全面的に強化していると話している。(c)Xinhua News/AFPBB News