【4月11日 AFP】(更新、写真追加)英警察は11日、米国の身柄引き渡し要請に基づき、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者を、首都ロンドンのエクアドル大使館で逮捕した。アサンジ容疑者が2012年から7年間にわたり同大使館で続けていた籠城が幕を閉じた。

 親米派のレニン・モレノ(Lenin Moreno)大統領政権下にあるエクアドルは、アサンジ容疑者が同国の在英大使館で籠城を続けることに対し不満を募らせ、先月末には同容疑者のインターネットと携帯電話へのアクセスを遮断。今回さらに、同容疑者への亡命許可を撤回し、市民権を剥奪したことから、英警察による劇的な逮捕に至った。

 ウィキリークスは同日、エクアドルによる亡命許可取り消しは「違法」だと主張。ツイッター(Twitter)に「エクアドルは国際法に違反し、アサンジ氏の政治亡命を違法に取り消した」と投稿するとともに、エクアドル大使が「英警察を大使館に招き入れ、アサンジ氏は即時逮捕された」と明かした。

 英警察によると、アサンジ容疑者は、2012年の保釈条件違反容疑で身柄を拘束された後、米当局の要請に基づいて再逮捕された。英裁判所は、アサンジ容疑者を保釈条件に違反した罪で有罪とし、量刑言い渡しまでの再勾留を命令。量刑言い渡しの日程は設定されなかった。

 アサンジ容疑者は英国で最大禁錮1年が科される可能性がある。一方、米国の身柄引き渡し要請に関する審理は5月2日に行われる予定。

 アサンジ容疑者は、米国のアフガニスタンとイラクでの戦争犯罪疑惑の詳細に関する大量の米軍事機密文書の公表を決定したことをめぐり、米当局が自身の身柄引き渡しを密かに目指しているとの懸念を以前から抱いていた。米当局はこれまで、極秘でアサンジ容疑者を起訴したとの疑惑を認めることを拒否してきたが、11日になって起訴の事実を認めた。

 米司法省によると、アサンジ容疑者には元陸軍情報分析官のチェルシー・マニング(Chelsea Manning)氏と協力して行った活動に関連したコンピューターハッキング共謀の罪で起訴され、有罪となれば最大で禁錮5年が科される可能性がある。(c)AFP/Dmitry ZAKS