【4月11日 AFP】リビアの首都トリポリ南東郊のアインザラ(Ain Zara)地区で10日に激しい軍事衝突があったと、AFPの電話取材に応じた住民が明らかにした。リビアでは元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏率いる軍事組織「リビア国民軍(LNA)」がトリポリに進軍し、国連(UN)が支持するリビア統一政府(国民合意政府、GNA)から首都を奪還しようと攻勢を強めている。

 アインザラ地区内では道路の封鎖により住民の避難が妨げられていると報じられており、AFPの電話取材に応じた住民は「戦闘が激化している。家から出るのが怖い」と語った。

 LNAの首都進軍により、これまで住民ら数千人が避難を余儀なくされたほか、数十人が死亡した。

 リビア赤新月社(Libyan Red Crescent)は10日朝、民間人を避難させたが、今のところGNAの支配地域に近づけるだけだと明らかにした。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は10日、米ニューヨークでリビア問題の対応に関する非公開の緊急会合を開催。外交筋によると、英国が決議案について話し合いを進めているという。

 英国のカレン・ピアース(Karen Pierce)国連大使は会合前に行った記者会見で、「停戦すべきとの国連事務総長の意見には同意するが、現時点では決議案がない」と語っていた。

 国連は9日、戦闘激化を受け、首都トリポリで予定されていたリビアの選挙の日程をまとめる和平会議を延期している。(c)AFP/Rim Taher