【4月10日 AFP】(更新、写真追加)世界各地の電波望遠鏡を用いてブラックホールの姿を捉えることを目指していた国際共同プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」は10日、史上初めてブラックホールの撮影に成功したと発表し、その画像を公開した。

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 周囲の星々をのみ込む巨大天体であるブラックホールは宇宙全体に散在しているが、光でさえも逃げられない重力場によってその姿は隠されている。EHTが撮影したのは地球から5500万光年離れた銀河「M87」にある超大質量ブラックホールで、中心が暗く、周囲に炎のようなオレンジ色をした白熱のプラズマが輪のように広がっている様子が写っている。

 EHTは、東京、ベルギーの首都ブリュッセル、中国・上海、米首都ワシントン、チリの首都サンティアゴ、台湾・台北で同時開催した記者会見で画像を発表。研究成果は10日、英学術誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)」に掲載された。

 画像は2017年4月、米国のハワイ州とアリゾナ州、スペイン、メキシコ、チリ、南極にある8基の電波望遠鏡が数日間にわたり収集したデータを基に作成された。EHTはこれらの望遠鏡を組み合わせることで、地球の直径にほぼ相当する約1万2000キロにわたる仮想天文台をつくり上げた。(c)AFP