【4月14日 CNS】中国の「清明節(Qing Ming Festival)に合わせ、臓器移植ドナーや献体者を「しのぶ会」と、臓器提供のPR活動が2日、甘粛省(Gansu)蘭州市(Lanzhou)の甘粛省遺体器官提供者記念園で行われた。

 同省衛生健康委員会と同省赤十字会(Red Cross Society of Gansu)が蘭州大学第二病院(Lanzhou University Second Hospital)の共催。医療機関の代表者やドナーの家族、臓器提供を希望する人の代表など合わせて500人以上が参列した。

 甘粛省天水市(Tianshui)から参列した王正偉(Wang Zhengwei)さんは、2008年に肝移植手術を受けた後、徐々に健康を回復し、16年には自転車で青海省(Qinghai)の青海湖(Qinghai Lake)まで行き、体をきたえる傍ら臓器提供のPR活動を行っている。これまで7年間で、10数か所の省・市を自転車で訪れ、走行距離は累計5万キロ以上に達している。

 中国人体器官提供管理センター(China Organ Donation Administrative Center)の集計によると、今年3月末現在、甘粛省では4787人がドナー登録し、648人が献体意思登録をしている。また実際に臓器を提供した人は33人、献体者は53人だった。

 ドナーとなった故・夏宝雲(Xia Baoyun)さんの弟に当たる夏亮雲(Xia Liangyun)さんは、「当初、死後に臓器を提供したいという兄の気持ちを家族は理解できませんでした。『遺体は体の部分が全部そろっているべきだ』という伝統的な考えがあったからです」と話す。「兄は体の具合が悪いと感じて、家族に内緒で診察を受けました。病状が分かってから、臓器提供のことをテレビで知り、臓器バンクに登録したのです」。兄の宝雲さんが提供した肝臓と二つの腎臓、二つの角膜は、3人の重篤な患者に生きる希望を与え、2人の失明者に再び光明を与えた。

 劉菊英(Liu Juying)さん(47)は、「5年前に臓器全部の提供を登録しました。私の勧めで、家族4人もドナー登録しました」と話す。劉さんは甘粛省赤十字会の献体活動ボランティアの一人だ。「臓器提供は有意義です。自分の命が死後もまた別な形で続いていくということです。この考え方を周囲の人たちに伝えていきたい」

 甘粛省赤十字会の袁博(Yuan Bo)秘書長は、「甘粛省の臓器提供希望者4787人の多くは青年で、多くの若者の意識が変わってきていることの表れだ。現在のところ、臓器提供に関する知識がない人が多く、献体の方法も知らない。献体と臓器提供は複雑な社会的プロセスが必要な事業で、多くの部門の密接な連携と社会の各方面からの支持や参加が必要だ」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News