【4月10日 AFP】オーストラリアのメルボルンで10日、労働条件の改善と賃金の引き上げを求めて数万人がデモ行進し、市内の交通が一時混乱するなどの影響が出た。

 5月の総選挙を前に最大野党の労働党は景気対策を公約に掲げている。他の野党各党も「オーストラリア国民の生活水準の低下は、過去30年で最悪」だと訴えている。一方の与党保守連合は、賃上げを実現する最良の手段は法人税の減税を通じて行うことだと主張している。

 ビクトリア(Victoria)州のダニエル・アンドリュース(Daniel Andrews)州首相(労働党)は、このデモ行進を通じてオーストラリア政府は、国民が妥当な「生活賃金」を要求していることを認識すべきだと述べた。

 労働党支持者の一部からは、多数の労働者のために最低賃金を引き上げ、またオーストラリアに流入する外国人労働者の数に制限を設けるべきだと主張する声も上がっている。

 一方、メルボルン市内の交通に影響が出たのはここ1週間以内で2度目。同市では8日にも動物愛護団体が通勤時間帯を狙って予告無しのデモを行い、混雑した道路を封鎖したために通勤の足が乱れた。(c)AFP