【4月10日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のレジェンドで、球団社長を務めるマジック・ジョンソン(Magic Johnson)氏が9日、電撃的な辞任を発表した。

 ジョンソン氏はチームが今季最終戦に臨む直前に即席の会見を行い、涙を浮かべながら「本日をもって、球団社長の座を降りる」と発表。2年間務めたバスケットボール運営部門のトップから退く意向を示した。

 チーム再建を託されてレイカーズのトップに就任したジョンソン氏は、2018年夏にはレブロン・ジェームズ(LeBron James)という超大物の獲得に尽力したが、迎えた今季はジェームズの負傷とともにチームの成績も下降し、かつての強豪は6年連続でプレーオフ進出を逃す結果に終わっていた。

 また、ニューオーリンズ・ペリカンズ(New Orleans Pelicans)から次なる大物のアンソニー・デイビス(Anthony Davis)の補強を狙った際は、最終的に獲得に失敗したうえ、この動きが選手を動揺させたと広く報じられ、批判を浴びていた。

 ジョンソン氏は辞任の理由として、「妹のよう」に思っているというジーニー・バス(Jeanie Buss)オーナーとの友情を壊したくなかったこと、また採用や解雇といった仕事が向いておらず、心労が重なった点を挙げた。

「(バス氏とは)素晴らしい関係を築いている」「彼女は私のやりたかったことに全権を与えてくれた。彼女とはこれからも良い仲を保っていきたい」「私としては、みんなの兄貴分、顔役でいられたときの方が楽しかった。この部分よりも、別の部分の方が楽しかった」

 レイカーズでは、シーズン終了とともにジョンソン氏がルーク・ウォルトン(Luke Walton)ヘッドコーチ(HC)解任の大なたを振るうことが濃厚になっていたが、ジョンソン氏は自身の辞任でHC続投の芽が出てきた可能性をほのめかしている。

 ジョンソン氏は、ウォルトンHCの名前は直接挙げずに「明日、私は誰かの生活と人生を左右する決断をしなくてはならないはずだった」「そのことも考えたよ。そしてそれは楽しくなかった。本来の自分じゃないし、(バス氏を)板挟みにもしたくない」「彼女は『やりたいようにすればいい』と言ってくれたが、私は楽しいことに戻りたい。この仕事に就く前の自分に戻りたいんだ」と話した。

 その一方でジョンソン氏は、ジェームズが加入して以降、チームは正しい道を歩んでいると信じている。ジョンソン氏は「レブロンが来て、われわれは道の半ばにいる」「この夏にはさらなるスターたちを取れると思う。いずれは優勝争いのできるチームになるはずだ」と話した。(c)AFP/Rob Woollard