【4月10日 AFP】スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領の辞任を求めるデモ隊は8日、同国軍に対し、暫定政府樹立に向けた協議に応じるよう呼び掛けた。デモ隊は6日以降、反政府運動への軍の支持を求めて首都ハルツームの軍本部周辺で野営を続けている。

 一連の反政府デモでは治安部隊による厳しい取り締まりで死者が出ているが、軍本部周辺での集会には過去最多の数千人が参加。治安部隊は参加者に催涙弾を発射したものの、デモは解散していない。

 軍本部には大統領の住居と国防省も併設されている。

 スーダンでは昨年12月、パンの値上げに対する抗議行動をきっかけにバシル大統領の30年の強権支配に対する抗議運動が発生。全土にデモが広がり動揺が続いてきた。

 当局によると、同月以降、抗議運動に関連する暴力により38人が死亡している。ブシャラ・ジュマ(Bushara Juma)内相によれば、6日に治安部隊がデモ隊を解散させようとした際にもデモ参加者7人が死亡、15人が負傷したほか、治安部隊の42人が負傷した。また合計の逮捕者は2496人に上っている。

 デモを主導する集団「自由・変革同盟(Alliance for Freedom and Change)」は8日、軍に対し、暫定政府樹立に向けて同集団と直接協議を行うよう呼び掛けた。同集団幹部のオマル・エルディジェール(Omar el-Digeir)氏は軍への声明で、「正当性を失った政権への支持を取り下げる」とともに、「民主的な政府への移行に向けた国民の代替案」を支持するよう求めた。

 映像は9日撮影。(c)AFP