■文化的背景も影響

 二つの調査で全体的な数字に違いがみられるものの、人種や民族による差異については同様の傾向を示していたと、論文の執筆者らは指摘している。

「男らしさと性に関する文化的スクリプト(筋書き)では広範囲において、男性は早い時期に性交渉を始めるべきで、しかも頻繁に行うべきだと考えられている」と、論文の執筆者らは説明する。

「有色人種の若い男性、特に黒人男性については、ハイパーマスキュリニティー(過度な男らしさ)を求められる人種差別的な固定観念から、早い時期に性交渉を始めることが期待されていることも影響している可能性がある」

 今回の研究ではさらに、母親が大学の学位を持っていない少年は、13歳までに性交渉を経験したと回答する傾向が高いことも明らかになっている。

 13歳までに性交渉を経験したと回答した18~24歳の男性のうち、その性交渉について望んでいなかったとしたのは8.5%、複雑な心境だったが37%、望んでいたが54.6%だった。

「今回の研究結果は、個人が初めて性的経験を持つ前に、文化的背景に基づいた包括的な性教育を行う必要性を浮き彫りにした。また、医療従事者が中学生かまたはそれより早い時期から男性と性について話し合える環境も求められる」と研究の執筆者らは指摘している。

 今回は若い女性の性行動については調査をしていないが、若い男性は若い女性に比べて13歳までに性交渉を経験する傾向が2倍以上高いとする別の研究を引用している。

 研究は米グットマッカー研究所(Guttmacher Institute)のローラ・リンドバーグ(Laura Lindberg)氏らの研究チームが実施した。(c)AFP