【4月9日 AFP】英首都ロンドンで8日、一定の排ガス基準を満たさない車から1日当たり12.5ポンド(約1800円)を徴収する「超低排出ゾーン(Ulez)」が市内に導入された。排ガス規制としては世界的にも最も厳しい取り組みの一つとみられている。

 対象となるのは2015年より前に製造されたディーゼル車や、2006年より前のガソリン車など。これらの車は排出ガス量の公表値が当局の基準に従っていても徴収対象となる。

 また、タンクローリーや長距離バスなど排ガス基準値を超える大型車は1日当たり100ポンド(約1万4500円)が徴収される一方、タクシーは徴収の対象外となる。

 ロンドンではすでに平日の午前7時から午後6時までに市内に乗り入れる車に11.5ポンド(約1700円)の渋滞税が課されているが、今回導入された超低排出ゾーンは24時間365日徴収対象となり、渋滞税に上乗せされて加算される仕組み。

 大気汚染対策を進めるロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は、超低排出ゾーンの設定について「寿命を縮め、肺機能を阻害する有害な排ガスを削減し、大気の浄化につながる」と意義を強調した。

 超低排出ゾーンは2021年10月以降、インナーロンドン(Inner London)と呼ばれる市中心部全体に拡大される予定。(c)AFP