【4月9日 AFP】英議会は8日、自国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)について「合意なき離脱」を回避するため、政府にEUへの離脱再延期要請を義務付ける法案を承認した。

 政府はEUとの交渉の余地を制限しかねないとして同法案に異議を唱えていたが、法案は先週から8日にかけて足早に上下両院を通過した。

 英国のEU離脱は当初の期限だった3月29日からすでに一度延期され、現在は今月12日とされている。しかし、EUへの離脱再延期要請を英政府に義務付ける法案が承認されたことによって、政府は9日の議会審議をへて、翌10日に開催されるEU首脳会議で離脱再延期を求める見込みだ。法案が承認されたことで、9日の英議会では議員らも、再延期の期限に関する提案が行えるようになった。

 EUはすでに3月の首脳会談で、英議会が4月12日までに離脱協定案を承認できれば、5月22日へのブレグジット再延期を承認するとしている。さらにテリーザ・メイ(Theresa May)英首相は今月5日、ブレグジットの期限を6月30日まで再延期するようEUに要請している。

 英国には、EU離脱の手続きなどを定めたリスボン条約(Lisbon Treaty、EU基本条約)第50条の発動を撤回し、ブレグジットそのものを中止する選択肢もまだ残されている。(c)AFP