【4月8日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)に所属するブレーズ・マテュイディ(Blaise Matuidi)が7日、自身も被害に遭った前週の人種差別について「自分の子どもたちに見せたい世界じゃない」と話し、他の黒人選手らと同様、一連の出来事に幻滅している様子を見せた。

 ユベントスは前週のカリアリ(Cagliari Calcio)とのアウェーゲームで、マテュイディを含む3選手がモンキーチャント(猿の鳴きまね)を浴びた。ゴール後にカリアリファンを挑発した10代のモイゼ・ケアン(Moise Kean)の行動が話題になったが、アレックス・サンドロ(Alex Sandro)も標的になり、そしてマテュイディは昨シーズンに続いて2年連続で被害に遭った。

 このことについて、フランス代表でもあるマテュイディは仏テレビ局カナル・プリュス(Canal Plus)で「悲しかった」「あのスタジアムでは去年もあったし、見過ごせない」「人種差別じゃなくて、ただこちらの心をかき乱そうとしているだけだと言う人もいるだろう」「だけどそれは違う。言ってはいけないことだし、罰せられないとならない」とコメントした。

 カリアリ戦の一件については、怒りの声が各所から上がった。

 イタリア代表のロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)監督は、「許容できない」「これ以上人種差別を受け入れられないし、行動して、厳格になる必要がある。人種差別的な行為は非難されなければならない」と話し、厳しい措置を求めた。

 一方、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属するダニー・ローズ(Danny Rose)は、差別との闘いは「茶番」だと話し、「もうたくさんだ」「とにかく裏の事情を知りたいよ。一体どうやって物事が処理されているのか見たい」とコメントしている。

 ヤヤ・トゥーレ(Yaya Toure)やラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)は、カリアリの関係者、さらにはユベントスのレオナルド・ボヌッチ(Leonardo Bonnucci)やマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督までもが、挑発したケアンにも非があると示唆したことに反応している。

 コートジボワール代表の主将も務めたトゥーレは「あの出来事と、ケアンはああいうことをするべきじゃなかったという監督のコメントにはショックを受けた」とコメント。イングランド代表のスターリングは「もう笑うしかない」とツイッター(Twitter)に書き込んだ。(c)AFP