メルトダウンから40年、米スリーマイル島原発9月閉鎖に揺れる地元
このニュースをシェア
■原発存続を求める声
スリーマイル島原発の制御室長、フランク・ウエイプル(Frank Waple)氏(58)は原発閉鎖を望む声には同意しない。
ウエイプル氏は原発閉鎖は地域経済に大きな打撃を与えるに違いないと述べ、ミドルタウンが「ゴーストタウン」になる恐れがあると警告。
ウエイプル氏によると、ミドルタウンの街はスリーマイル島原発から膨大な額の税金を得ている。さらに「原発は高齢者センターや若者団体、図書館、移動図書館、消防署などにも金を出している」。スリーマイル島原発一筋で働いてきたウエイプル氏は、別の仕事を探すのも難しいだろうと語った。
一方、スリーマイル島で電気技師として働くネイサン・グローブ(Nathan Grove)さん(37)は、自分はシングルファーザーで、仕事を辞めて他の場所に移住するのは難しいと語る。
グローブさんは原発を閉鎖させない闘いを推し進めると語り、「原子力が環境にもたらす恩恵を人々に必ず理解させる」「原子力は大気を清浄に保つ最良の方法の一つだ」と述べた。
■「世の中は変わる」
他方、ペンシルベニア州の州都ハリスバーグ(Harrisburg)近郊でAPFの取材に応じた原発監視NPO、「スリーマイルアイランド・アラート(TMI Alert)」の会長エリック・エプスタイン(Eric Epstein)氏は、スリーマイル島原発の運転継続は論外だという。
「この発電所は老朽化している」とエプスタイン氏。「もう閉鎖すべきときなのだ。(この原発に)競争力はない」「破綻した産業を救済し続ける必要などない。無意味だ」
同氏は「雇用が失われるなんて単なる理由付けだ」と述べ、エクセロンは現従業員の多数を配置転換したり、原発閉鎖処理の仕事に就かせたりすることができるはずだと主張した。「世の中は変わるものだ」 (c)AFP/Sébastien DUVAL