【4月8日 AFP】米ニューヨークの大規模再開発地区ハドソンヤード(Hudson Yards)に5日、新たな文化複合施設「ザ・シェッド(The Shed)」がオープンした。専門分野の垣根を越え、誰もが利用できるアートスペースを目指す。

 巨大な箱に銀色に輝くダウンジャケットをかぶせたような前衛的な外観の同施設は、市が所有する2万平方フィート(約1900平方メートル)の区画に建設され、ハドソンヤードの「文化の脈打つ心臓部」と位置付けられている。同地区は、企業オフィスや高所得者向け店舗、高級レストランなどが立ち並び、「富裕層のための遊び場」と批判されていた。

 ファンディングアートディレクターのアレックス・プーツ(Alex Poots)氏によると、アートギャラリーの入場料は一律10ドル(約1100円)で子どもは無料。またショーのチケットは、ビョーク(Bjork)といった大物アーティストの公演を含め、全座席の10%をわずか10ドルで販売するという。

 3日の内覧会に出席した同氏は、「ここに来れば、さまざまなバックグラウンドの人と出会える」と語った。

 全8フロアからなる同施設には、柱のない広々としたギャラリー2か所、分割可能な500座席の劇場、創作研究室、リハーサルスペース、大規模パフォーマンス用の1万7000平方フィート(約1600平方メートル)のホールなどがある。ホールは、入れ子式の外壁で覆われており、この外壁を横に移動して連結するビルにかぶせると、屋外イベント用のスペースが現れる仕組みになっている。(c)AFP/Maggy DONALDSON