【4月6日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は3日、男女平等における先進地域として名高い北欧4か国で、「レイプ事件が驚くほどの高水準に上って」おり、被害者への対処もうまくいっていないとする報告書を発表した。

 この報告書は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの4か国でのレイプ事件に注目。法律面での欠陥、有害な「レイプ神話」、ステレオタイプなジェンダー観によって、加害者たちが「罰を受けない風土」が醸成されていると説明した。

 アムネスティのクミ・ナイドゥ(Kumi Naidoo)事務総長は、「ジェンダー間の平等を擁護するという優れた実績を持つ北欧諸国で、レイプ事件が驚くほど高い水準に上っているのは矛盾している」と指摘。

 報告書では、欧州ジェンダー平等研究所(European Institute for Gender Equality)の統計が引用されており、デンマーク、フィンランド、スウェーデンの3か国で、平均30%の女性が、性行為のパートナーから暴力や虐待を受けたとされる。その一方、欧州連合(EU)全体では平均22%だという。

 フィンランドでは、一部の被害者たちは警察とのやり取りについて肯定的に報告しているものの、他のケースはいかに「深くレイプ神話が根付いて」いるかを浮き彫りにしており、司法システムの利用に直接的な影響を与えているという。

 またアムネスティは、ノルウェー当局がレイプの防止および、事件発生後の対処において必要な措置を講じていないとして非難。

 さらにデンマークでは、レイプ事件について「著しく過少報告」されていることも指摘しており、届け出された場合も、起訴されたり有罪になったりするケースは非常に少ないという。(c)AFP