【4月6日 AFP】リビア首都トリポリの南方で5日、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏に従う勢力が親政府勢力と衝突した。国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長はこの直前、戦闘の発生を避けるため、ハフタル氏と会談していた。

 トリポリは現在、国連の支持を受ける統一政府が同盟勢力と共に支配している。ハフタル氏は4日、同市を奪取するため指揮下の民兵組織「リビア国民軍(LNA)」に進軍を命じた。

 突然の攻勢に対し、国際社会は自制を要求。国連安全保障理事会(UN Security Council)は同日の緊急会合で、LNAの動きはリビアの安定を危険にさらすと警告し、進軍の停止を求めた。

 グテレス事務総長はリビア訪問を終える前、東部ベンガジ(Benghazi)でハフタル氏と会談した。LNAと国連は協議の詳細を明かしていないが、同事務総長は「深い懸念と憂慮を抱えたままリビアを去る」と述べる一方、「トリポリでの悲惨な衝突を避けることはまだ可能だと思っている」としていた。

 統一政府筋によると、LNAはグテレス、ハフタル両氏による会談の直後、トリポリの南方50キロ未満の位置で統一政府の同盟勢力と衝突した。

 同政府のファティ・バシャハ(Fathi Bachagha)内相はリビアのテレビ局アルアハラール(Al-Ahrar)に対し、LNA側は廃虚となった空港を一時占拠したが、トリポリから出動した部隊に一掃されたと述べた。

 先進7か国(G7)は5日、仏北部のリゾート地ディナール(Dinard)で開いた外相会合で、ハフタル氏によるトリポリへの攻勢に対し「あらゆる軍事行動とトリポリへの進軍」の即時停止を求めた。(c)AFP/Imed Lamloum