【4月5日 AFP】米グーグル(Google)は4日、人工知能(AI)などの先端技術に関する倫理問題の検討のため前週立ち上げたばかりの「先端技術外部諮問委員会(ATEAC)」を解散したと発表した。委員の人選をめぐって論争が起きていた。

 ATEACについては、選ばれた委員の一人が保守系の米シンクタンク「ヘリテージ財団(Heritage Foundation)」のケイ・コールズ・ジェームズ(Kay Coles James)所長だったことから、グーグル従業員の一部が反発。トランスジェンダーをはじめとする性的少数者(LGBTQ)や、移民に否定的な発言を繰り返してきたジェームズ氏の除名を要求する署名運動を開始し、社内だけでなくIT業界関係者や学者など2300人以上の賛同を4日午後までに集めていた。

 また、ATEAC解散を最初に報じた米ニュースサイト「Vox.com」によると、ジェームズ氏ではない委員1人がすでに辞任していたほか、ドローン関連企業の重役が委員に含まれていることを受けて、AIの軍事利用への懸念も再燃していたという。

 グーグルはAFPに対し「現状では、ATEACがわれわれの望んでいたようには機能できないことが明らかとなった」「そこで、委員会を解散して白紙に戻すことにした」と説明。今後は、AIの責任ある使用について外部の知見を得るため代替手段を探していく方針を示した。(c)AFP/Glenn CHAPMAN