【4月5日 CNS】配車アプリ大手の滴滴出行(Didi Chuxing)が委託管理しているシェア自転車の「小藍単車(Bluegogo)」は先ごろ、利用料金を値上げした。これまでは基本料金「30分1元(約17円)」だったのが、3月21日から15分1元へと修正し、以後15分ごとに0.5元(約8円)を徴収している。

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 その結果、新しい料金体系では、1時間の利用料金は2.5元(約41円)となる。業界トップ3社である摩拝単車(モバイク、Mobike)、ofoと哈囉出行(Hellobike)の料金は2元(約33円)を超えておらず、今回の値上げ後、小藍単車の利用料金は、シェア自転車業界の中で最も高くなった。

 小藍単車は2016年10月設立。その2か月後には4億元(約67億円)の創業時融資を獲得し、時価総額10億元(約166億円)となった。しかしその後は、追加融資を受けられなかった。

 小藍単車の最大のセールスポイントは、乗りやすさだ。変速器付きで軽く、3秒で開く電子錠などの特徴があり、業界内で最も快適に利用できる。試算によると、同社の自転車の原価は約2000元(約3万3000円)かかっており、高コスト体質が新しい車両モデルの量産と投入を阻害してきた。

 モバイクとofoの17年の自転車投入台数は1000万台レベルに上り、2社で90%のシェアを占めたが、第2集団の小藍単車の投入台数はわずか70万台だった。

 追加融資を受けることができなかった小藍単車は、資金が不足するようになっていた。17年下期からは、サプライヤーから支払督促を受けたとか、サービス利用をやめたユーザーへのデポジット返済ができないといった負のニュースが頻繁に伝えられるようになった。

 小藍単車の創始者である李剛(Li Gang)氏は17年11月16日夜に公開した書簡で、同社が深刻な資金問題に直面し経営不能となったことを明らかにしている。翌18年1月9日、滴滴出行が小藍単車を委託管理することを発表。ユーザーは滴滴アプリを通して、デポジットを支払うことなく小藍単車を利用できるとした。

 業界関係者によると、シェア自転車業界の闘いは現場での維持管理とユーザー体験に移行しており、値上げは時間の問題だという。というのも、滴滴出行にしても、モバイクを買収した美団点評(Meituan-Dianping)にしても、シェア自転車ビジネスでこれ以上の赤字を許容できないからだ。

 ofoが返済しなければならないデポジットの額は10億~20億元(約166億円~333億円)に上る。美団点評の18年度決算報告書によると、モバイクを4月に買収してから年末までの期間で、シェア自転車事業は45億5000万元(約757億円)の赤字を計上している。(c)CNS/JCM/AFPBB News