■「天才」

 ゴールドバーグさんは、コバーンさんから「第2の父親」と呼ばれていた。コバーンさんの経歴は、薬物依存とうつ病に隠れがちだが、何よりも「音楽の天才」だったとゴールドバーグさんは強調する。「彼の曲には深いエネルギーと感情が込められているといつも思っていた。もちろん偉大な曲を作ったが、偉大な曲であること以上のものがあった」

 またコバーンさんは女性を擁護し、音楽界における「男らしさの意味を再定義する」ことにも一役買っていたと言う。「男女同権を支持し、誰に対しても敬意を表し、ある種の反マッチョ精神を持っていた」とゴールドバーグさんは話す。「全く新しいロックスターのあるべき姿を示していた」

 コバーンさんの人生は短かったが、今でも影響力は強く、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)さんやジョン・レノン(Jonh Lennon)さん、ボブ・ディラン(Bob Dylan)さんのような伝説になっているという。

 今でもコバーンさんが生きていたらどうなっていたかということは考えたくないとゴールドバーグさんは言う。だが、生きていたら革新的であり続けただろうと語る。「彼は常に進化していて、過去の自分をコピーすることはなかった」 (c)Maggy DONALDSON