【4月4日 AFP】ロシア・モスクワ郊外で3日、ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)の工場の落成式が行われ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とペーター・アルトマイヤー(Peter Altmaier)独経済・エネルギー相が出席して両国の経済協力をたたえた。

 プーチン氏は、モスクワ郊外の工業団地に完成した新工場で「ロシアは今後、こうしたプロジェクトを確実に支援する」と表明。「メルセデスの車は必ずロシアの消費者の間で人気になる」と述べ、既に自身でも1台所有していることを明らかにした。

 一方のアルトマイヤー経済相は「言うまでもなく、ロシアとドイツは両国の間に横たわる政治的な問題を解決する必要があり、争いは終わらせなければならない。だが、同時に経済関係を発展させていくべきだ」と語った。

 メルセデス・ベンツを傘下に収める独自動車大手ダイムラー(Daimler)は2017年、モスクワから北西に約50キロ離れた工業団地で新工場の建設を開始した。総額2億5000万ユーロ(約313億円)を投じた新工場では年間2万5000台を生産する計画で、約1000人の雇用を見込んでいる。

 ロシア経済は、ウクライナ危機をめぐる国際社会からの制裁と世界的な原油価格の下落により痛手を被っている。米自動車大手フォード・モーター(Ford Motor)は先週、売り上げ不振を理由にロシア国内の組立工場2か所を閉鎖し、乗用車の生産を中止すると発表した。ただ、メルセデス・ベンツなど高級ブランドは今のところロシア経済危機の影響を受けていない。(c)AFP