【4月4日 AFP】(更新)仏ルノー(Renault)は3日、日産自動車(Nissan Motor)と設立したオランダの統括会社「ルノー日産BV(RNBV)」に対する日産との共同調査の結果、カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)前最高経営責任者(CEO)による数百万ユーロ(数億円)分の支出に「重大な疑念」が生じたと発表した。

 ルノー取締役会は、「正確な額はまだ明確になってはいないが、2010年以降で数百万ユーロに上る可能性がある特定の支出で、RNBVの企業利益との合致という点で重大な疑念が生じている」と発表。「RNBVの内部組織は、財務の透明性と支出統制手続きの面で深刻な欠陥があったことを示唆している」と説明し、ルノー経営陣は日産と協力し「これらの欠陥を可能な限り早急に共同で正す」としている。

 日産での報酬などをめぐる不正行為で起訴されたゴーン被告は、3か月以上にわたり勾留された後に保釈されたが、3日の報道によると日本の検察当局は、新たに会社法違反(特別背任)容疑での立件を検討している。

 報道によれば、新たな容疑は日産からオマーンの販売代理店に送金された少なくとも3200万ドル(約36億円)に関連するもので、この取引にはRNBVが関与していたとされる。情報筋によると、送金された金の一部はゴーン被告とその家族が使用するクルーザーの購入に充てられたとみられている。

 ルノーは3日の発表で、ゴーン被告による一部の支出は「疑わしい内密慣行と弊社グループの倫理規定の違反に関わる」ものと説明。特に「第三者との関係、利益相反の管理、企業資産の保護」と関連があるとした。

 ルノーは、ゴーン被告がベルサイユ宮殿(Palace of Versailles)で開いた結婚披露宴に関する情報に続き、「中東にあるルノーの販売代理店への支払いに関する潜在的な問題」をフランス当局に通報したとも明らかにした。ゴーン被告はベルサイユ宮殿での披露宴開催に当たり、ルノーのスポンサー契約に基づき宮殿利用料を免除されていた。(c)AFP