【4月3日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長が2日、今季の欧州サッカーに暗い影を落とす人種差別の頻発を恥ずかしく思うと話し、試合中止などの対策の必要性を口にした。

 欧州では、3月の欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選のモンテネグロ対イングランド戦で、イングランドのラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)とダニー・ローズ(Danny Rose)、カラム・ハドソン・オドイ(Callum Hudson-Odoi)が人種差別の標的となり、またクラブレベルではインテル(Inter Milan)やディナモ・ザグレブ(Dinamo Zagreb)、ディナモ・キエフ(Dynamo Kiev)がサポーターの差別的振る舞いによって完全、または一部無観客での試合開催の処分を受けている。

 こうした状況について、差別問題への取り組みとしてウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で初開催された「イコール・ゲーム(Equal Game)」会議に出席したチェフェリン会長は「2019年にもなって、多様性を促進する会議を開かなくてはならないことが恥ずかしい」「世界のリーダーや政治家が、差別主義者や差別事件を軽く見ていることを憂慮している」とコメントした。

 会長は審判に対して、差別が確認された場合は試合を止めることを「恐れないでほしい」と訴えている。

「試合が中止、あるいは中断された瞬間、スタジアムにいる90パーセントの普通の人々は、そうした愚か者の尻を蹴飛ばすことだろう」「今は2019年で、100年前じゃない。審判にはもう一度、自信を持って行動を起こすことを恐れないでほしいと伝えたい」

「これは由々しき問題だ。バルカン半島や東欧に限った話ではない。もちろんイタリアも、人種差別や性差別、同性愛嫌悪に関して特に大きな問題を抱えている。イングランドにも問題はある」 (c)AFP