【4月3日 AFP】ロサンゼルス市警(LAPD)は2日、ラップ歌手ニップジー・ハスル(Nipsey Hussle、本名エルミアス・アスゲドム Ermias Asghedom)さん(33)を殺害した容疑者として行方を追っていた男を、2日間の捜索の末に逮捕したと発表した。

 事件は先月31日の白昼に発生。グラミー賞(Grammy Awards)にノミネートされたこともあるハスルさんの死に衝撃が広がっていた。

 市警は逮捕されたエリック・ホルダー(Eric Holder)容疑者について、ハスルさん銃撃・殺害事件に関連して警察で身柄を拘束していると発表。また当局は事件について、ギャングが関わっているほか、個人的な性質のものだとしている。

 ハスルさんはかつてギャング構成員だったが、ラッパーとして成功したほか、地域活動家として、出身地である市南部ハイドパーク(Hyde Park)の黒人や中南米系の住民のため奮闘。ロサンゼルスの当局者や歌手仲間から、その転身を称賛されていた。1日には、ギャングによる暴力を根絶するための方策を話し合うため、市当局との間で話し合いを持つ予定だった。

 ロサンゼルスの人々やハスルさんの歌手仲間らは哀悼の意を表するとともに、ハスルさんの音楽の才能と精力的な地域活動をたたえた。

 市警のマイケル・ムーア(Michel Moore)本部長は2日、逮捕の発表に先立ち、容疑者はハスルさんが経営する衣料品店の前で、ハスルさんと口論していたと説明。記者団に対し、容疑者は「数回現れ、会話をした」後、「拳銃を持って戻り」、ハスルさんに至近距離から数回発砲したと述べていた。

 さらに同本部長は、「われわれは、これはハスル、ホルダー両氏によるいさかいだったと考えている」とした上で、「会話の内容には立ち入らないが、両者による個人的な問題だったと思われる」との見方を示した。

 ロサンゼルス郡検視官事務所は2日、ハスルさんは頭部を銃で撃たれた傷が原因で死亡したと明らかにした。(c)AFP