【4月2日 AFP】中国中部・河南(Henan)省で先月、幼稚園の園児23人がかゆを食べて体調が悪くなり病院で手当てを受けたと、国営メディアが1日報じた。幼稚園の教諭がかゆに毒物を入れたとみられている。

 国営新華社(Xinhua)通信、大衆日刊紙「新京報(Beijing News)」などが地元当局者の話として伝えたところによると、河南省焦作(Jiaozuo)市の幼稚園で3月27日、朝食にかゆを食べた園児らが嘔吐(おうと)や失神するなどして23人が病院に救急搬送され、幼稚園の教諭がかゆに毒を盛った疑いで警察に身柄を拘束された。

 園児の親の一人は新京報の取材に、幼稚園から連絡を受けて病院へ駆け付けたところ、すでに園児は毒素の血中濃度を下げるために胃洗浄を受けていたと語った。

 新華社によると、症状が重篤な園児1人と要経過観察の7人が現在も入院中。予備捜査で、園児らの体調不良の原因は亜硝酸ナトリウムと特定された。亜硝酸ナトリウムは肉類の保存性向上に用いられる食品添加物だが、大量に摂取すると人体に有害となる。

 中国では、食に関する事故を防ぐ目的で、幼稚園および小・中学校の教職員が園内・校内の食堂で園児や児童・生徒と食事を共にすることを義務とする新法が1日から施行された。焦作の幼稚園で起きた事件は、この新法が施行する直前だった。

 さらに中国の教育機関には、食品の生産地および提供者の開示と、予防措置および管理体制の整備が義務付けられると、新華社は報じている。(c)AFP