【4月2日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐり、EU側の首席交渉官であるミシェル・バルニエ(Michel Barnier)氏は2日、英国が秩序ある離脱に向けた協定のないままブレグジットを迎えるいわゆる「合意なき離脱」に陥る恐れが「日に日に強まっている」と懸念を示した。

 英下院は1日、テリーザ・メイ(Theresa May)首相が昨年EUと結んだ離脱協定案の代替となり得る選択肢をすべて否決。

 これを受けてバルニエ氏は翌2日、ベルギー・ブリュッセルで行われたあるシンクタンクでの演説で、「合意なき離脱は、われわれが望んだ、あるいは思い描いていたシナリオではない。私自身が思い描いていたシナリオでもない。それでもEU加盟27か国は準備を整えた。その恐れは日に日に強まっている」と述べた。

 さらに、「まず忘れるべきでないのは、われわれには既に協定があり、合意があるということだ。テリーザ・メイ氏と英政府、欧州理事会(European Council)、欧州議会(European Parliament)の間で、4か月前の昨年11月25日に結んでいる」と訴えた。

「英国が予定通り先月29日に確実にEUを離脱できるよう、われわれは努力した。もし英国が秩序ある形でのEU離脱を今も望んでいるなら、この協定、この取り決めが唯一の道であり、これからもそうあり続ける」と明言した。(c)AFP