【4月1日 AFP】アフリカ西部シエラレオネは1日、同国領海での漁業を1か月間禁止する措置を講じた。水産資源の保護培養を目指すもので、環境保護活動家からは称賛の声が上がっている。

 漁業資源省の発表によると、政府はさらに「水産資源の枯渇を防ぐ目的」で、大手水産会社による同日から月末までの輸出中止も命じたという。

 環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の2010~16年のまとめによると、シエラレオネをはじめ、モーリタニア、セネガル、ガンビア、ギニアビサウ、ギニアといったアフリカ西部の国々は、違法な未申告の漁業により年間約2550億円の損失を被ったとされる。

 これについてシエラレオネ漁業組合の代表は、中国と韓国を名指しし、「中韓の大規模漁船がわれわれの漁網を破壊し、魚を乱獲している」と非難。「政府に対し、監視体制を敷いて禁止措置を実効的に適用していくよう求めている」と述べた。

 カナダのブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)や米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)などの7団体が2017年に行った共同プロジェクト「シー・アラウンド・アス(Sea Around Us)」によると、「シエラレオネでは、大規模漁業を行う外国漁船による違法漁業が、漁獲量全体の約30%を占めている」という。

 また同国沖では、外国籍の漁船あるいは違法な提携関係を結んだ地元の小規模漁業者による非合法の漁業活動が、過去10年間で増加しているとされる。(c)AFP