【4月20日 東方新報】中国で近ごろ、「子どもの才能のDNA検査」と銘打ったサービスが、ECプラットフォームで静かに流行している。価格は数百元から数万元(訳注:100元は約1600円に相当)と大きな幅がある。セールスポイントは、「唾液一滴で子どもの才能がわかる」ことで、子女教育の方向性を決める一助となるものだという。

「DNA才能検査」の専門店を見てみると、検査項目には心の知能指数(EQ)、知能指数(IQ)、運動能力などが含まれている。店側は、「子どもの才能を見極め、保護者が時間と金銭を節約し、子どもに将来を見据えた教育を施すことをサポートする」としている。具体的な検査の手順は、綿棒を子どもの口の中に入れ、口腔中の唾液を採集し、DNAサンプルを検査機関に郵送し、検査機関が検査報告書を発行するというものだ。

 店舗側によると、この検査技術は子どもの各方面の才能を予測できるという。対象範囲は児童から青少年にいたる全年齢で、3〜6歳児なら検査結果に基づいて習い事を決めることができ、6〜16歳の子どもについては検査結果に基づいて力を入れる学科の選択を行い、大学受験に向けて専門課程の選択に用いることができるとしている。

 類似のサービスは多く、価格差も大きい。最も安いものは約200元(約3300円)で、文章の読解力、言語表現能力、集中力などの8項目が検査できる。高価格なものではセット価格3万3600元(約55万7000円)で、人間関係や交際能力、責任感、早熟度など48項目の検査を含む。業界に詳しい人によると、才能DNA検査の代理店として加盟すると、1日平均1件の成約があれば、年間のリベート合計額は50万元(約828万円)に達し、投資回収率は230%となるという。

 子どもの才能DNA検査は、技術的に信じられるものだろうか。小児医学の専門家によると、現在の中国のDNA検査技術は主として疾病スクリーニングに用いられており、才能DNA検査は子どもの発育行為に関連する遺伝子座の検査でしかない。実際には、子どもにある分野の才能があるかどうかを確認するためには、複雑な作業が必要だ。才能DNA検査の結果は、全くの方向違いである可能性がある。もし、このような不確定性を含む検査結果によって子どもに対してある分野の訓練を強引に行った場合、子どものほかの面での成長を制限してしまうに違いないとしている。(c)東方新報/AFPBB News