【4月1日 AFP】トルコで31日、統一地方選が行われ、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)が首都アンカラの市長選で敗北する見通しとなった。半国営アナトリア(Anadolu)通信が伝えた。16年にわたり政権の座にあったAKPにとって、大きな敗北となりそうだ。

 同通信が伝えた暫定結果によると、アンカラ市長選では、開票率92%の時点で野党統一候補が50.62%を獲得し、AKPの候補者が47.20%でそれに続いている。

 またトルコ最大の都市で同国経済の中心であるイスタンブール市長選では、AKPの候補者は得票率48.88%で勝利宣言したが、同48.50%の対立候補は敗北を認めていない。

 エルドアン氏とAKPは、同党が2002年に政権に就いて以来、すべての選挙で勝利してきた。だがアナリストらによると、経済停滞が長引くなかでの今回の選挙でAKPはアンカラでは敗北の危険にさらされ、イスタンブールでは苦戦を強いられている。

 今回は、同国が2017年の改憲で大統領に実権を集中させる新大統領制を導入し、16年間政権の座にあったエルドアン氏に広範な権限を与えてから、初の統一地方選となった。

 投票はグリニッジ標準時(GMT)31日午後2時(日本時間同11時)に締め切られた。東部の投票所でいさかいが起き、男性2人が死亡したが、投票はおおむね平穏に実施された。

 AKPがアンカラ市長選で敗北する見通しとなり、イスタンブール市長選でも苦戦していることを受けて、エルドアン大統領は31日、アンカラ市内に集まった支持者らに対し、「(AKPに)至らなかった部分があったとすれば、それを是正するのがわれわれの義務だ」と述べた。(c)AFP/Fulya Ozerkan with Raziye Akkoc in Ankara