【3月31日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は29日、サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の殺害を実行したグループに、米国で訓練を受けた者が数人含まれていたと伝えた。同紙に寄稿していたカショギ氏の死をめぐり、新たな事実が明らかになった形だ。

 サウジの政権に批判的だったカショギ氏は昨年10月2日、トルコのイスタンブールのサウジ総領事館で、サウジ当局から送り込まれた15人のグループによって殺害された。この事件で容疑者11人が起訴され、初公判は今年1月にサウジで行われた。だがムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の役割についてなど、まだ解明されていない部分は多い。

 そうした中、ワシントン・ポストのコラムニスト、デビッド・イグナティウス(David Ignatius)氏は、匿名を条件に取材に応じた米国とサウジの関係者十数人にインタビューした上で、殺害チーム「サウジ即応介入班(Saudi Rapid Intervention Group)」の中に、米国で訓練を受けた者が数人いたと述べた。

 イグナティウス氏は「米中央情報局(CIA)は、この特殊作戦の訓練の一部が国務省の認可に基づき、アーカンソー州を拠点とする企業『ティア1グループ(Tier 1 Group)』によって実施された可能性があるとして、他の政府機関に注意を呼び掛けた」と述べた。

 また、「訓練はサウジとの間で続く連係の一環として、カショギ氏殺害事件の前に行われ、まだ再開されないままだ」と説明。安全保障に関連した米国とサウジの交流プログラムも中断されたままだという。(c) AFP