【3月31日 AFP】ベネズエラの首都カラカスで30日、今月7日以降に相次いだ大規模停電に抗議するデモが行われ、治安部隊が催涙ガスを発射してデモ隊を解散させた。現場で取材したAFPの記者によると、治安部隊は野党支持派のデモ隊がカラカス西部の特定地点に集結するのを阻止した。

 新たな停電は29日午後7時10分(日本時間30日午前8時10分)ごろ、カラカスとともに、全国23州中少なくとも20州で発生した。7日以降の大規模停電では全国各地で水道や輸送、電話、インターネットに深刻な影響が出た。

 これまでの停電についてニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は、破壊工作が原因だと主張。しかし専門家の間では、外部からの干渉ではなく、インフラの保守点検が長年不十分だったため劣化が進んだのが原因である可能性が高いとの見方が広がっている。ベネズエラは産油国だが、政治危機が長びく中で経済の混乱は一段と深まり、生活環境の悪化に伴って栄養不足や病気が増加している。

 野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長は、新たなデモを呼び掛けて引き続きマドゥロ政権に圧力をかけている。グアイド氏はカラカス近郊ロステケス(Los Teques)で行われた集会で、「『オペレーション・フリーダム(自由作戦)』を主催するので、4月6日にベネズエラ各地の街頭に集まってほしい」と述べた。

 これに反応する形でマドゥロ氏も、「米国のテロ帝国主義に反対する」新たな大規模デモで対抗するよう呼び掛けた。

 映像前半は、マドゥロ氏の支持者たち、後半はグアイド氏支持者たちの抗議デモ。30日撮影。(c)Maria Lorente, Margioni BERMÚDEZ