【3月30日 AFP】タイの国立公園で、親とはぐれて穴の中で泥まみれとなりながら、数日間身動きが取れなくなっていたゾウの赤ちゃん6頭が、公園のレンジャーらによって救出された。当局が30日に明らかにした。

 同国の首都バンコク東方のプラーチーンブリー(Prachinburi)県にある国立公園の監督官はAFPに対し、27日午後に巡回していたレンジャーらが、穴の中でもがいているゾウの赤ちゃんたちを偶然発見したと説明。

 レンジャーらは1歳から4歳のゾウの赤ちゃんたちが穴から出られないことを見て取り、一部の隊員が掘削用の道具を取りに森を離れた一方、残りの隊員は穴のそばで夜通し、おびえ切った赤ちゃんたちを見守っていたという。

 先の監督官は、「われわれのチームが(28日朝に)くわを持って到着し、(泥沼の)へりの周りを掘り始めて傾斜を緩やかにした」と説明。

 急場しのぎの傾斜をつくるために穴を掘り始めてから3時間後、レンジャーらが声援を送る中、泥まみれになったゾウたちが1頭ずつ、よろめきながら穴から脱出した。

 監督官は、レンジャーらが付近で30頭のゾウの群れを目にしていたことを明かし、発見された赤ちゃんたちがこの群れからはぐれてしまったとみているという。また、「穴から脱出した後、足が弱っていたことから、このゾウたちが穴の中で少なくとも2日間、身動きが取れなくなっていたと思う」と述べた。

 公園当局が撮影した映像には、レンジャーたちが赤ちゃんゾウに向かって「行け、行け、後に続け!」、「行け! 赤ちゃん、行け!」と叫ぶ様子が捉えられている。(c)AFP