【3月30日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)は28日、フランシスコ法王(Pope Francis)が自身の指輪にキスしようとする信者らから繰り返し手を引っ込める映像がインターネット上で広まったことを受け、法王は細菌感染を広めないために指輪にキスさせようとしないのだと説明した。

 この動画は25日、法王がイタリアの丘の町ロレート(Loreto)を訪れ、数十人の教区民から順にあいさつを受けた際に撮影されたもの。教区民の中には、会釈しながら法王の手を握るだけの人もいたが、ひざまずいて法王の指輪にキスしようとする人もいた。

 動画には、法王が笑みを浮かべたまま繰り返し手を引く様子が映っている。

 バチカンのアレッサンドロ・ジゾッティ(Alessandro Gisotti)報道官は28日、法王からの説明として、指輪にキスさせなかったのは「衛生上の理由」だと述べ、「長い列ができている時に感染を避けるため」の行動だとした。同報道官はまた、「個人的には、法王は人々と抱擁を交わすことを好んでいる」と述べた。

 動画はインターネット上で共有され、ツイッター(Twitter)では28日午後の時点で1100万回を超える視聴数を記録していた。

 ロレートでの出来事は当初、カトリックの保守派論者から批判を集めたものの、広く注目を集めたのは短縮版の動画が出てからだった。短縮されていない動画には、信者の列が長くなる前、法王が信者が彼の指輪にキスするのを受け入れる様子が映っている。(c)AFP