【3月30日 AFP】(更新、写真追加)ベネズエラで29日、首都カラカスを含む複数の主要都市で新たに停電が発生した。同国では25日にも停電が発生し、数日間にわたって全土がまひ状態に陥ったばかりで、ようやく復旧し始めた矢先だった。

 停電は、29日午後7時10分(日本時間30日午前8時10分)ごろ発生。ソーシャルメディア利用者の報告によると、首都カラカスや、マラカイボ(Maracaibo)、バレンシア(Valencia)、マラカイ(Maracay)、サンクリストバル(San Cristobal)で停電しているという。

 今回の停電は3月7日に発生した大規模停電以降3度目。ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領と野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長の政治的対決で既に苦境に陥っている同国の経済と生活環境は、相次ぐ停電によりさらに悪化している。

 これまで停電の原因について、マドゥロ氏が外国による「破壊工作」と主張する一方、専門家らは外国からの干渉ではなく、長年にわたるメンテナンスの不備によるインフラの劣化の可能性の方が高いと指摘してきた。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は29日、停電発生に先立ち、政治的干渉の恐れをはねのけて2週間以内にベネズエラで人道支援物資の配給を開始する方針を発表していた。

 政治危機が長引く中で未曽有の経済的大混乱に陥っている南米の産油国ベネズエラでは、生活環境が急激に悪化し、栄養失調や病気になる人が増えている。(c)AFP/Esteban ROJAS