【3月29日 AFP】(更新)フランスの映画監督で、1960年代に映画革新運動「ヌーベルバーグ」の中で頭角を現し、現実とフィクションとを織り交ぜた芸術的な作品を制作し続けたアニエス・ヴァルダ(Agnes Varda)氏が死去した。90歳。遺族が29日、明らかにした。

「映画監督で芸術家のアニエス・ヴァルダが28日夜、がんの合併症により、家族と友人にみとられ自宅で死去した」と発表した。

 ヴァルダ氏の名を最初に世に知らしめたのは、1962年の映画『5時から7時までのクレオ(Cleo from 5 to 7)』。

 しかしその独特の詩的世界を最も如実に表したのは、実話と架空の物語とが交錯するドキュメンタリーなどの作品だった。1985年の『冬の旅(Vagabond)』では、イタリア・ベネチア国際映画祭(Venice Film Festival)のコンペティション部門最高賞「金獅子賞(Golden Lion)」をはじめ、多数の賞に輝いた。

 映画界の伝説的存在となったヴァルダ氏は生涯現役を貫き、先月にも新たな自伝的ドキュメンタリーをドイツ・ベルリン国際映画祭(Berlin film festival)に出品していた。(c)AFP/Sophie LAUBIE and Aurélie MAYEMBO