【3月29日 AFP】裕福な国々には、変化の激しい世界経済にはじき飛ばされて犠牲となった人々の「面倒を見る」義務があると、富豪の米著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏が28日、米テキサス州で開かれたチャリティーイベントで語った。

 投資会社バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)を率いるバフェット氏は、変化を続ける資本主義経済においては、時代に付いていけない企業や労働者が出てくるのは避けられず、他の産業に雇用が移動し、それによって次第に生活の質が上がっていくと説明。その上で、「何らかの理由で」経済から脱落した人々を支援する必要があるとの考えを表明した。

 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が複数の工場を閉鎖する計画について問われたバフェット氏は、「世界経済の中で非経済的になる」人は常に存在すると回答。「裕福な国なら(略)比較的人数が少ない失業者の面倒を見ることができる。それが裕福な国の義務だと私は思う」と述べた。

「オマハの賢人(Oracle of Omaha)」の異名でも知られるバフェット氏は、「自由貿易を100%支持」しているとしつつ、自由貿易が国にもたらす莫大(ばくだい)な利益の結果、職業訓練を受けて職種を転換するのが不可能な中高年の労働者の「人生を破壊」してしまう恐れがあると警鐘を鳴らした。(c)AFP