【3月29日 AFP】メキシコ当局は28日午前、噴火が続く首都メキシコ市近郊の活火山ポポカテペトル(Popocatepetl)山の警戒レベルを避難命令の1段階手前に当たる「イエロー・フェーズ3」に引き上げた。

 ポポカテペトル山は同国中部の住民から畏敬の念を込めて「ポポ(Popo)」と呼ばれ、過去数日にわたり、灰や煙、溶岩を繰り返し噴き上げている。

 メキシコ国立防災センター(CENAPRED)の警報システムでは、「イエロー」は「警戒維持および避難準備」を指す。また「フェーズ3」は「中程度から高度の活動」を指し、火山が「爆発の強度を増し、白熱の溶岩片を噴出している」状態を意味する。

 警戒レベルが「イエロー・フェーズ3」に次ぐ「レッド」に引き上げられた場合、強制的に避難が行われるが、当局によれば、現時点でさらなる引き上げは検討されていない。

 ポポカテペトル山は1000年余り大規模な噴火を起こしていないが、過去25年にわたって活動を活発化させており、半径100キロ圏内に約2500万人が生活していることを理由に世界でも特に危険な火山と見なされている。

 同山周辺には複数の村があるほか、大規模な噴火が起これば、150万人が暮らすプエブラ(Puebla)州都プエブラや、2100万人が暮らす首都圏にまで影響が及ぶ恐れがある。(c)AFP