【3月28日 AFP】イラン各地で豪雨による洪水の被害が広がっている。死者が43人に上る中、ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は27日、初めて被災地を視察。報道によると、国内30州で救助活動が続いている。

 イランでは豪雨が9日間続き、24時間降水量が年平均降水量の半分に相当するほどの猛烈な雨にたびたび見舞われた。27日は広域で晴れたものの、気象予報によると30日からまた大雨となる見込み。

 気候変動の影響を指摘する閣僚も出る中、イラン暦の新年の休暇を直撃した洪水被害の対応に当局は苦慮している。

 こうした中、ロウハニ大統領は国内でも最初に洪水の被害を受けた地域の一つ、北部ゴレスタン(Golestan)州を訪問した。最新の公式統計によれば、同州では今月19日に起きた洪水で少なくとも10人が死亡。また、救助隊員と避難者を大勢乗せたボートが転覆し、6人が死亡する事故も起きている。

 洪水は、前線の東進に伴って西部、南部、中部にも拡大した。国内で最も大きな被害が出ているのは南部シラーズ(Shiraz)で、19人が死亡、100人以上が負傷し、地元当局は28日を服喪の日と宣言した。

 タスニム(Tasnim)通信はイラン赤新月社(Red Crescent)の情報として、国内30州で救助活動が展開されており、これまでに4万3000人以上を救出、約2万7000人に一時宿泊施設を提供したと伝えている。(c)AFP